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髪の専門家が語る、髪の毛のお役立ち情報
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シャンプーの泡立ちと洗浄力の話。洗浄の強さを見極めるには泡の状態を判断材料とするのが、ある程度役立ちます。

前回の記事の補足のような記事なのですが、今回は界面活性剤の泡立ちと洗浄力について話したいと思います。

シャンプーの泡立ちと言えば、よくシャンプーのCMでモコモコの泡で髪を洗うものが多くありますよね。

それで実際に髪に付けて泡立てても、そんなに泡立ったりしません。CMほどの泡となると、かなりの量が必要です。

それほどの量となると、正直シャンプーの量が多すぎます。だいたいのシャンプー剤で、洗い過ぎになると思います(笑)

これはシャンプーのイメージが「泡立つ」という印象が強いからなんでしょうが。

これは小話ですが、昔の理美容店では「スタンドシャンプー」というものがありました。

これは昔よく行われていたシャンプー技法で、ちょっと濃くして液が顔にタレにくくしたシャンプー液を、椅子に座った状態そのままで頭にシャンプー液を塗布して泡立てるという洗髪方法です。

今ではこの洗髪法を行う所は少ないでしょうが、今でも行っている所はあります。

このスタンドシャンプーであっても、CMのような泡立ちにはなりませんからね(笑)

泡立ちといえば、とても汚れた髪や頭皮の場合、なかなか泡立たなかった経験がありませんか?

これはコテコテの油汚れの食器を台所用洗剤で洗ったときに泡立ちにくいのと一緒で、汚れが多いと泡立ちにくいのです。

逆に少量の洗剤でも、スポンジや泡立てネットで泡立てるとすごく泡立ちます。どうしてでしょう?

今回はシャンプーの泡立ちと洗浄力についてのお話です。

界面活性剤と臨界ミセル濃度

界面活性剤と臨界ミセル濃度…。いきなり難しい言葉ですが、界面活性剤は何回か当サイトでも出ている言葉です。

関連記事:

界面活性剤をひとことで言えば「水と油を混ぜるもの」ことです。有名なものは洗剤の成分で、汚れを洗い落とすものにはほぼ必ず入っています。台所用洗剤や石けんなどもそうで、とうぜんシャンプーにも入っています。

臨界ミセル濃度というの説明が難しいのですが、ひとことで言えば「界面活性剤がミセルの形になる濃度」です。

ミセルとまたよく分からない言葉がありますが、界面活性剤の成分がいっぱい集まってできる球体のもの、という感じです。

界面活性剤は水に溶けると、界面活性剤の分子は、水と空気、水と油といった境界(界面・葉面)に集まる性質があります。

ですが、界面活性剤の濃度が低いとただ集まるだけで汚れを落とす作用は働きません。

濃度が高まってくると界面活性剤分子は集まり始め、前途したようにミセルという球状の状態になります。

そして同時に水に溶けた界面活性剤の分子の量が増えると、空気を包み込み泡立つようにもなります。これが起泡作用(泡立ち)です。

このミセルは洗浄の力に大きく関係してきます。

水で流れない多くの汚れは水に溶けない油性のものですが、その油脂成分を界面活性剤が吸着し、小さく包み込んで水に溶けるよう作用します。

この一連の作用が洗浄作用であり、その作用の強さが洗浄力です

ただ全部の界面活性剤がミセルになる訳ではなく、水中に集まらずに溶けている界面活性剤は多くあるのですが。

それらが水中に溶けている界面活性剤が、ある一定の濃度以上になると、界面活性剤はミセルの形状にしかならなくなるのです。

簡単に言えば、水中には十分界面活性剤が溶けているので、溶けなかった界面活性剤分子が集まりミセルになっていく、という感じです。

このような状態になる濃度を臨界ミセル濃度と言い。

この状態のときは洗浄力と泡立ちが最高潮になります

つまり泡立ちは、水中に十分界面活性剤が溶けていないと生じにくく、泡立ちが弱いとき洗浄力も弱い状態だと言えます。*1

少量の洗剤だけなら泡立ちやすいのは、汚れを包む界面活性剤が少ないためです。つまり泡立つのに必要な界面活性剤が十分水に溶けている。

そこに汚れが加わると、その汚れの周りにも界面活性剤分子は集まります。そしてミセルを作り洗浄します。

そうなると、ミセルとなった分の水に溶けている界面活性剤分子が減ってしまうのです。

水に溶けているミセル以外の界面活性剤が減ると泡立たせる界面活性剤の量が減り、泡立たせる作用が弱くなります

もしここで、先程の臨界ミセル濃度以上で出来ていたミセルがあると、そのミセルは界面活性剤分子として水中に再び分散します

このように臨界ミセル濃度以上では、水に溶けている界面活性剤の量が常に一定量存在しているので、油分を分離する洗浄力はそのままで、油分などをミセル化し溶かす能力(可溶化)が継続していくのです。

参考リンク:

シャンプーの泡立ちと洗浄力の関係

次に、どんな状態なら汚れや洗浄力はどんな感じか、ということを簡単に説明していきます。

じっさいはいろんあ種類のシャンプーがあり、洗浄力もいろいろなので全部が全部このような感じになるとは言えませんが、ある程度の参考にはなるかと思います。

まったく泡立たないし、何の変化もない状態

この時のシャンプー剤は、洗浄剤としてまったく機能していません。

この状態のときはシャンプーの量がかなり少ないか、髪や頭皮がかなり汚れているかのどちらかです。

どちらにしても、シャンプーの量を増やして下さい。

細かい泡みたいなものがあったり、白くとろっとした液体になる状態

この状態の時は、シャンプーが少し汚れを落としている状態です。

白くとろっとしたものは、シャンプー剤によって油分と水が混ざったもので、いわゆる「乳化」と呼ばれる作用です。

化粧をクレンジングで落とす時にとろっとした状態で化粧品と化粧落としが混ざりますよね、それと同じ状態です。

ただ、泡立ちが弱いので、まだ落とせる汚れが残っている可能性があります。

そこそこ泡立ち始めた状態

泡が多く出始めるということは、乳化しない界面活性剤が多くなってきたということです。

この時に考えられる状態は2つです。

  1. 髪の汚れがだいぶん落ちてきた
  2. シャンプー剤の量が多い

もう少し洗ってみて泡立ち加減が十分まま落ちなければ、水で洗い流すタイミングかもしれません。

モコモコ泡立つ状態

シャンプーの洗浄力は最も高まり、シャンプー液も十分ある状態です。

この状態のシャンプー剤は、洗浄剤として最高のパフォーマンスを発揮します。

油分を溶かす洗剤が十分あるので、洗えば洗うほど油汚れや皮脂を取り除けます。

それは同時に、髪が本来持つ油分(18-MEA など)も取り除いてしまう場合もあります。

関連記事:

髪が持っている油分は、取れると再度くっついたりしませんので、取れないように注意したい所です。

どうして洗浄力を気にするのか

どうして洗浄力を気にするのかと言えば、髪が持っている脂質成分は、取れると元には戻らないからです。

トリートメントで補修できると思わらがちですが、トリートメントの油分などは一時的に髪にくっついているだけで、すぐに取れてしまいます。

コーティング剤といったものは、このような成分を閉じ込めてしまおうという発想からです。まあそれが悪循環の始まりになったのですが…(汗)

現在は昔に比べて研究が進み、品質もよくなっていますが、まだ 18-MEA を元のように再結合するような技術や製品は開発されていません。

なので、髪が本来持つ油分は。できるだけ残すようにすることが、キレイな髪を維持するのには重要なのです。

パーマやカラーで無くなってしまうのはしょうがないとしても、髪をキレイにするために行うシャンプーで重要な成分を失うのって、何だかオカシイですよね?

なのでシャンプーの洗浄力というのは、実はとっても重要なコトだったりします。

今回は泡立ちと洗浄力の話でしたが、注意点が一つあります。

というのも、シャンプーには泡立ちを良くするために起泡剤が入っていることがあるのです。

これらは泡立ちの悪いアミノ酸系シャンプーなどや、泡立ちをおさえてしまうシリコンなどのコンディショニング成分が入っているため、泡立ちを良くするように配合されているものです。

このような成分が入っていると、泡立ち=洗浄力とは言いにくいのです。

これは「シャンプー=泡立つもの」という認識もあります。昔はよく「泡立ちがよく泡切れが良いシャンプーが良いシャンプー」と言われたものです(笑)

あと「泡がクッションとなって髪のキューティクルを摩擦のダメージから守る」というものがありますが、最近のシャンプーは髪を保護するためにカチオン化ポリマーといったコンディショニング成分が入っていますので、それほど気にしなくてもよいかもしれません。

摩擦によるダメージを気にするなら、やさしくやさしく洗ったほうが効果的だと思います。

もう一つ「泡立てたほうが頭皮にいろいろとよい」というのもあります。

たしかシャンプーが頭皮に触れる面積を少なくするとか、毛穴に直接シャンプー剤が入り込まないようにするとか、なんとか。

それならば直背頭皮に付けないよう、髪から付けるほうが効果的です。泡立ちは少量の洗剤で広い面積を洗うときに、とても有効にはたらきます。髪に付けて馴染ませていっても何ら支障はありません。

シャンプーはけっして泡で汚れを落としているわけではありませんが、泡立ち具合は髪や頭皮の汚れの状態や、どれだけシャンプー剤を使っているかといった判断をするのに、とても有効に働きます。

起泡剤なのど関係で、全てのシャンプー剤で泡立ちから洗浄力を判断するというのは困難なのですが、使用量を見極める重要な要素にはなるとは思います。

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*1:あと臨界ミセル濃度は温度とかも関係してくるのですが、温水ですることが多いシャンプーではあまり関係ないかと思い、今回は取り上げていません。