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髪の専門家が語る、髪の毛のお役立ち情報
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「乾いた髪にリンスして脱色」がどうして出来るか、その仕組をちょっと強引に考えてみた話。

インターネットは面白いもので、先日「乾いた髪にリンスをして、脱色させる」という情報を入手しました。

え!? マジか?と思い調べてみましたけど、どうやら出来るという情報はあっても、その根拠というか、信用できるような科学的な理由が無い話ばかり。

どちらかと言えば出来ないという意見のほうが多数。まあ、当然と言えば当然ですね。

それだけで話が終わったら面白くありません。当サイトは髪と髪に関係した情報を専門にあつかうサイト。

この「乾いた髪にリンスして脱色する方法」を、もうちょっと掘り下げたいと思います。

「リンスして脱色する方法」とは?

その「リンスで脱色する方法」とは、次のようなものです。

  1. 乾いた状態の髪にリンスを塗布
  2. 10分~15分ほど、そのまま放置
  3. その後シャンプーで普通に流す

放置時間は大なり小なり差がありますが、だいたいの流れはこんな感じです。

髪を明るくする脱色とは、髪色の素であるメラニンを減らすこと。ブリーチなどは、このメラニンを酸化し分解(破壊)することで髪を明るくします。

髪を明るく茶色にするには、このメラニンを減らすしか方法はなく、このリンスを使った方法で明るくなるのだとしたら、どこかにメラニンの数を減らす何かがある…、ということになります。

リンスの成分

では、どうして脱色できるのでしょう?「脱色できる」と過程して、成分を見てみます。

リンス(今はコンディショナーと呼ばれる方が多いですが)の成分は大部分が水で、そして、その主成分となるものはカチオン界面活性剤で、あとは油脂類といったコンディショニング成分です。

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この成分だけみると、ブリーチやヘアカラーにあるような成分(過酸化酸素などの酸化剤や、アルカリ剤)は見つかりません。

また「トリートメントでは脱色できない」という話なので、トリートメントとリンス・コンディショナーの違いは毛髪保護剤といったトリートメント成分の量と、カチオン界面活性剤の量です。

では、これらの成分の違いが脱色する・しないに影響を与えているのでしょうか?

「リンスで脱毛」の仕組みを考えてみる

ここからは妄想ですが、無理やりにでも脱色する理由を考えてみます。

まずリンスに、過酸化水素のような酸化剤は入っていません。また薬剤の化学反応を高めるアルカリ剤が入ったリンスなど存在しません。

上記のように「トリートメントでは脱色せず、リンスなら脱色できる」というのなら、1番あやしいのはカチオン界面活性剤です。

次に気になるのがリンスの pH 。髪は弱酸性が1番しっかり結合している状態ですが、それがアルカリ性側に傾いても、酸性に傾いても結合が弱くなります。

これらの点を掘り下げて考えてみます。

カチオン界面活性剤で脱色?

リンスや柔軟剤の主成分であるカチオン界面活性剤は、殺菌効果なども有名です。

殺菌というのは菌のタンパク質を変性して菌を殺すことが多く、つまりはタンパク質を変性させる効果があるのです。

昔のリンスに、目の角膜の炎症や、皮膚に炎症や刺激があると言われたのは、この性質のためです。

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なるほど、この変性作用があるカチオン界面活性剤をたっぷり髪に付け、そのまま時間を置けば髪のタンパク質が一部変性してダメージとなり、メラニンが破壊または流出しやすくなる…、とも考えられます。

ですが、昔の製造技術も品質も悪かった時代とは今は違います。現在のリンスやコンディショナーに配合されているカチオン界面活性剤は品質が格段に良くなっています。

また、国の厳しいチェックもありますので、上記のようにタンパク質変性を起こすどころか、炎症がおきるようなモノや濃度でカチオン界面活性剤が配合されているリンスやコンディショナーはありません。

ですが、昔の粗悪なものだとどうでしょう?可能性的には否定できません。

リンスの pH で脱色?

リンスは基本、弱酸性のものが多いです。これは前途しましたが髪が弱酸性だから、それに戻すためなのが主な理由です。

ですが、弱酸性といっても幅は広いです。弱酸性と言われる pH は3.0以上6.0未満で、髪の pH は平均で4.5~5.5と言われています。

このように髪の pH には幅がありますよね? というのも髪の結合が1番強い状態のpHには、個人差などの違いがあるから、平均的な値で幅があるのです。*1

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そのように個人差があるのならば、リンスと言えどその pH によっては結合が弱くなる人もいるかもしれません。

例えば、ある人の髪の結合がもっとも強い pH(等電点)が5.5だとします。

それで脱色に使うリンスの pH が3の弱酸性*2だとします。

リンスで脱色する場合、乾いた状態で付けますので、水で薄まったりしません。なので、pH は3のまま。

等電点から pH が離れるほど結合は弱くなります。上記の pH 5.5 の人の場合、pH 3 の弱酸性では2.5離れていることになります。

これをアルカリ性側に同じ数値分離してみると、pH は 5.5 + 2.5 で、pH 8 のアルカリ性となります。

つまり、この pH 5.5 の人の場合、pH 3 のリンスを付けて放置することは、pH 8 のアルカリ剤を付けて放置するのと同じ状態だと言えるのです。

昔の人はアルカリ剤を付けて脱色していましたが、それと同じようなことしていると言えるのです。

もちろん、脱色(ブリーチ)の仕組みや化学変化は、こんな単純な話ではないですし、最近の製品は品質がよくなっていますので、このような単純な理由で髪が傷んだり脱色したりすることは無いと思います。

ですが、昔の粗悪なリンスなら、人によっては脱色できた。その可能性は否定できないと思います。

とはいえ、この方法でもし脱色できたとしても、メラニン以外にも他の毛髪ケラチンも大きなダメージを受けることは、間違いありません。

これなら、ブリーチで明るくしたほうが、ぜんぜんマシです

髪は傷めば元には戻りません。なので、リンスで脱色するような行為や、乾いた髪にリンスをたっぷり付けるような行為は、決しておこなわないようにして下さい

ちなみに、似たような方法でお酢を使った方法がありますが、こちらも上記のように髪の pH を変化させて弱い状態にさせ、髪を傷めさせることで脱色させる方法だと思われます。

当然、この方法も髪を傷めます。こちらも決して行わないようにして下さい。

よく校則で毛染めが禁止なので、これらの方法を試す方がおられるようですが、基本原理は毛染めやブリーチと同じなので毛染めと一緒ですし、現在のリンスでは脱色はできないでしょうし、できたとしても髪を非常に傷めるので、やらないことを強く勧めます。

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*1:なので、髪は等電点とは呼ばず、等電と言うのです。

*2:「この pH だから弱酸性」といった科学的に明確な境界線はありませんが、雑貨工業品品質表示規程や温泉の泉質では pH 3 を弱酸性と表示できます。(参考リンク:水素イオン指数 - Wikipedia