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髪の専門家が語る、髪の毛のお役立ち情報
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今のシャンプーは多くが弱酸性か中性で、洗浄力もマイルドらしい。

昔のシャンプーは、洗浄力が強かった。

その理由で考えられるのが2つあって

そのひとつが毎日髪を洗うという習慣ではなかったからだと思います。

この話はネットで話題になることがあるので、ご存知の方の多いかもしれません。

参考リンク: togetter.com

今でもご年配のかたには、数日から一週間ほど頭を洗わないという人もまれにおられます。

それは当然で、昔はそれが普通だったからです。

このように洗う頻度が一週間や数日だと、髪はけっこう汚れます。整髪料を使っていたら、なおさらです。

このような汚れとなると、それなりの洗浄力がないと落ちません。

だから、昔のシャンプーは洗浄力が強かった。そのようにも考えられます。

そしてもうひとつの理由が、製造技術の影響です。

昔のシャンプーは、製造技術がまだまだ未熟でした。

なので、洗浄力が強くて質の悪いシャンプーしか作れなかったのです。特に弱酸性のシャンプーなどは作れなかったと聞いています。

作れたとしてもそれはとても高価。商品としては採算が取れないようなもので、そんな理由で弱酸性のシャンプーはほぼありませんでした*1

このようにその時代の習慣と製造技術レベルによって、昔は洗浄力が強いシャンプーしかなかったのですが

時代は変わり、近年ではシャンプーは毎日洗うようになり、製造技術もレベルアップしています。

特に製造技術の向上はすごくて、今では弱酸性の水溶液中であっても、洗浄剤として機能する界面活性剤を、コストをおさえて製造できるようになっているそうです。

という関係で、現在売られているシャンプーは、その多くの製品が弱酸性から中性の pH で、洗浄力もマイルドになっています。

今回はそんな話をしたいと思います。

今のシャンプーはマイルド

というのも先日、ネットで調べ物をしているときに、このようなPDFを見つけました。

リンク:髪を用いたタンパク質の変性(平成23年度 恵那高等学校 SSH 課題研究 )

岐阜の県立恵那高等学校の学生さんが、平成23年に研究発表した論文ですが、とても素晴らしいです。

この実験でエッセンシャルやラックスといった市販のシャンプーの pH をいくつか計測しているのですが

結果は次のとおりです。

製品名 pH
H&S 6.2
マシェリ 5.3
エッセンシャル 3.7
いち髪 6.0
ラックス 4.3
メリット 3.9
サイオス 4.9
パンテーン 6.1
髪を用いたタンパク質の変性より

このとおり、製品のほとんどが pH 6 より小さい弱酸性で、値が大きくても中性レベルの pH 6.0 です。アルカリ性のものなど1つもありません

皮脂に対する洗浄力と pH は大きな関係があります。簡単に言えばアルカリ性のほうが皮脂が落ちやすくなります。

その点だけ考えても、弱酸性のシャンプーは洗浄力は弱くなっています。

また弱酸性の水溶液で洗浄剤として機能できる界面活性剤は、アルカリ性の水溶液中で機能する界面活性剤より、基本的には洗浄力は弱いです。

これらから見て得られることは、市販のシャンプーも弱酸性や中性のものが多く、洗浄力もマイルドになっている、ということです。

これは8年以上の古い研究結果ですが、その時代より現在のほうが消費者ニーズや製造技術から考えてもダメージレス(=弱酸性)のほうに傾いているはずです。

なので、現在のほうが、シャンプーが弱酸性(または中性)で洗浄力も弱くなっている傾向に傾いてると推察できます。

中には弱アルカリ性のシャンプーもあるとは思います。例えば洗浄力を重視したシャンプーとかです。

それでもそれはごく一部だと言われています。多くのシャンプーは弱酸性だと宣言していなくても弱酸性なのです。

さきほどの研究は面白いことに「シャンプー液を使った卵白のタンパク質変性の実験」もしています。

上記のシャンプーから pH が低い・真ん中・高いというシャンプーを使い、それらを卵白に入れて放置するというものです。

この実験結果を想像すると、pH が低い(酸性が強い)シャンプーに変性が強く起こると思いきや、じっさいの結果は真ん中のものが1番反応が強かったという結果になっています。

この実験結果から視ると、タンパク質の変性に pH はあまり関係なく、界面活性剤の種類や量、それ以外に配合されているの成分といった、pH 以外の要素が関係している可能性のほうが高いことが見てとれます。

これから見ても、シャンプーの良し悪しを pH だけで判断するのは間違いだと言えます。

やっぱりシャンプーの品質は結局は総合力であり、pH だけで決まるわけではない、ということですね。

※参考文献・引用文献
髪を用いたタンパク質の変性(平成23年度 恵那高等学校 SSH 課題研究 )
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*1:わたしが持っている古い本(毛髪大全科 1978年初版)ではアミノ酸系の界面活性剤のことが書かれていますので、この年代ではすでにあったのかも知れません。